ほろみのりとは
幌加内町農業技術センターが育成したそばの品種です。
主に各地で栽培されている「キタワセソバ」は次々と花を咲かせ、順々に実をつけるため、収穫を行うと収穫に適した実と収穫にはまだ早い実が混じってしまい、実にばらつきが出ます。
また、早くついた実は収穫前に落ちてしまう恐れがあります。さらに、草丈が高いため強い風雨で倒伏することもあり、年毎の収穫量に変動が生じてしまいます。
「ほろみのり」は一斉に花が咲き、実をつけるので、収穫に適した実のみを収穫でき、実が落ちてしまうことも減るため、多くの収穫量が得られます。実際に研究結果として、収穫量が1.3倍に増えたほか、品質のムラが少なくなりました。
そばの味は、香りや独特のえぐみが強い「キタワセソバ」と比べ、甘味があり、クセがなく上品な味です。
ほろみのり (町オリジナル品種) |
キタワセソバ(主流品種) | |
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花 | ||
草丈 | 約100㎝ | 約120㎝ |
開花 ※登熟 |
そろう | そろわない |
食味 | 甘味が強く、クセがない | そばの香りやそば独特のえぐみが強い |
※登熟→そばの実が熟し、収穫できる状態になること。
育成に至る経過
幌加内町では1997年(平成9年)からそばの安定生産を目標に品種改良に取り組みました。
開花や登熟がそろい多収で、草丈が「キタワセソバ」より10センチ以上短く、風雨による倒伏に強い新品種が誕生しました。新品種は、町の名前を一部取り「ほろみのり」と名づけられ2001年(平成13年)に品種登録申請し、2004年(平成16年)に農林水産省より種苗法に基づく品種登録を受けました。2006年(平成18年)から町内で作付けが始まり、現在約130ヘクタールで栽培されています。
ほろみのり(右:幌系3号)とキタワセソバの草丈
幌加内町農業技術センター
町の農業試験研究業務を担う施設であった、「幌加内町農業研究センター」の再編に伴い、2001年(平成13年)に.「幌加内町農業技術センター」が誕生しました。ほろみのりが開発された同センターはその後も試験研究を続け、ほろみのりの栽培・育成技術を確立しました。さらに生産性向上、品質向上など、幌加内町の農業の活性化と地域振興を図る上で技術的サポートを行う中核施設として、各種研究に取り組んでいます。